養育理念

 応用化学とは、化学の原理・方法に基づいて、原子・分子の世界から人々の生活に欠かせない物質や材料を創り出す「物質創製」の学問です。文明社会の恒常的発展と地球環境保全の両立という強い社会的要請のもと、高度な専門知識だけでなく、科学技術が社会に及ぼす影響について地球的規模で総合的に洞察し、みずから適切に判断できる能力を備えた専門技術者の養成が望まれています。本学科では、本学の教育理念に則り、基礎学力の充実と研究能力の開発に主眼をおいた教育カリキュラムを整備し、応用化学の先端領域で活躍し、広く社会に貢献できる人材を育成する。

学習教育目標

 以下の学習教育目標を設定しています。応用化学科の学生は、これらの目標を達成するために、履修規則を十分に理解した上で4年間の履修内容を計画・立案し、実行することが望まれます。

 

(A)技術者としての倫理を尊重できる人材の育成

 科学技術が環境・社会・資源・安全性にどの様な影響を及ぼすかを理解できると共に、科学技術者としての責任を自覚し、行動し得る素養、さらには自国並びに他国の文化・社会・経済を理解し、物事を地球的・国際的視点から考え得る素養を育成する。

(B)工学基礎知識の修得

 数学、物理、情報および工学技術に関する基礎知識を自主的・継続的に学習できる能力を有し、問題解決に利用できる能力を育成する。

(C)専門知識の修得

 物理化学、有機化学、無機化学、分析化学、高分子化学の基礎知識を自主的・継続的に学習できる能力、および化学工学の基礎知識を自主的・継続的に学習できる能力を獲得したうえで、応用化学に関する専門知識・実験技術を習得し、それらをもとに問題を解決できる能力を育成する。

(D)データの収集、解析、およびその結果を出力する能力を持った人材の育成

 社会あるいは自身を取り巻く状況の変化・必要に応じて、幅広い学習を自主的・継続的に行い得る能力、技術者として与えられた課題を経済性・安全性・信頼性および社会・環境への影響を考慮し、それらの解決のためにデータを収集し解析する能力、さらには得られた結果を正確に伝達するために日本語により理論的に記述できる能力、プレゼンテーションできる能力、およびコミュニケーションできる能力を育成する。

(E)問題を解決する能力を持った人材の育成

 自ら積極的に社会の要求・問題を見出し,それらを基礎及び専門知識を総合して分析し、解決・設計・提案する能力、さらに技術的・社会的な制約の下で仕事を計画的・継続的に遂行し、完成させ得る自立した技術者となるための能力を育成する。

 

応用化学科のカリキュラムは、これらの目標を達成するために設計されており、大学卒業者に必要な教養と応用化学に関する専門知識を4年間にわたって修得できるよう構成されています。

本学科で学ぶこと

本学科では、応用化学という学問に大きな関心をもって入学する皆さんに、総合大学の特色を活かした幅広い教養教育(全学共通科目)と有機的に結びついた専門教育を実現しています。さらに、生物応用化学科の一部科目が履修可能であるなど、学科の枠を超えたカリキュラム編成で、応用化学の基礎から高度な専門知識まで身につけることができます。1〜3年生で習得した基礎知識をベースとして、4年次の卒業研究では高いレベルの課題に取り組み、問題点の把握、結果の整理と解析、考察さらには新たな課題の提案を行うことで、確かな基礎学力の習得に基づく豊かな発想の意欲あふれる人材の養成を目指しています。また、関心のある分野の研究をさらに続ける場合のために、大学院前期博士課程、後期博士課程を設けて皆さんの勉学あるいは研究意欲に応えるようにしています。